異種金属間の強固な密着を実現する下準備のめっき
ストライクめっきは、本めっき(最終的な厚みをつけるめっき)の前に、ごく短時間で非常に薄く施す特殊なめっきのことです。その主な目的は、素材と本めっき層との間に強固な密着性を確保することです。
主な特徴と目的
- 密着性の向上: ステンレスやアルミニウムのように、表面に強固な酸化膜(不動態皮膜)が形成されていて、通常のめっきでは密着しにくい素材に対して、まずストライクめっきを行うことで、この酸化膜を除去しつつ、活性な表面に薄い金属皮膜を形成し、その後の本めっきの密着性を格段に向上させます。
- 置換めっきの防止: めっき液に素材を浸した際に、イオン化傾向の違いから意図しない化学反応(置換析出)が起こり、密着性の悪い粗雑なめっき層が形成されるのを防ぎます。ストライクめっきで予め素材表面を覆ってしまうことで、この現象を抑制します。
- 素材の保護: めっき液の中には強酸性のものもあり、素材によっては溶解してしまう恐れがあります。ストライクめっきを先に行うことで、素材を保護する役割も果たします。
代表的なストライクめっき
- ストライクニッケルめっき(ウッド浴): 特にステンレス鋼へのめっきの前処理として多用されます。
- ストライク銅めっき: 鉄鋼材料の上に直接、光沢のある硫酸銅めっきなどを施す際に、置換析出を防ぐ目的で用いられます。
ストライクめっきは、最終製品の表面には現れないものの、めっき全体の品質や信頼性を支える上で非常に重要な「縁の下の力持ち」的な工程です。
